本文へジャンプ

一月・二月の桃山さんの御菓子


    松の雪
松に雪の意匠、正月の定番のお菓子です。

    老松
これも正月の定番ですが芯の粒餡を見せて老いた松皮に見立てています。 

     野火
毎年お正月には勅題に因んだ御菓子を作っております。「火」、野焼きの火です。

春先、枯れ草を焼き払う行事をイメージして作りましたが、どうでしょうか?

     早蕨
カルカン製です。緑の漉し餡をカギ形にして蕨に見立てました。芯は粒餡です。カルカンはカルカン粉と長芋、山の芋で作ります。

カルカン粉はお米の粉なんですよ。粒の粗さで呼び名が違うようです。米粉、上新粉、上用粉と細かくなるにつれ変わっていきます。

      月
07年の勅題「月」に因んで考案しました。正月なので紅白のカルカンとこなし餡のミルフィーユ?なのです。美味しそうでしょ?

器は織部四方銘々皿です。京都の小さな古美術商で見かけて買いました。ちょっと古そうなかんじですが、比較的最近の大量生産の焼き物だったのです。

     雪餅
塩芳軒さん、生風庵さんのものが特に有名です。私は塩芳軒さんのものしか食べた事はありません。感動しました。

いつかは私も作りたいと若い頃思いました。山の芋の餡に白小豆の漉し餡を黄身餡にした餡が芯にあります。器は志野絵替り銘々皿。

    春の雪
菜の花の咲くころに雪が降る事があります。そんな風情の意匠で考案しました。菜の花畑に雪が舞い落ちたイメージは伝わりましたか?

関東以西の太平洋側では、真冬より早春に雪が降る事が多いようです。菓子器は織部土筆絵鉢、暖かい春が待ち遠しい器です。瀧川恵美子作

     鶯餅
伝統的なお菓子です。青豆粉が眩しい色を放っています。
菓子器は根来丸盆です。



     鶯宿
鶯宿(おうしゅく)梅の代名詞です。ねじり梅にした生地に粒餡、黄身餡の金団をたっぷり盛りました。


花びらの生地は百合根を餡にしたものです。抽象的な表現が好きですが、物の形にする作業も結構楽しい物です。


    きつね面
本歌はお干菓子で有名な伊織さんにあります。京都祗園の味舌(懐石料理)の主人が上生菓子に転用した物です。

うちも初午の頃は必ずお作りしております。器は絵馬を模した銘々皿になるのでしょうか?蔵珍窯のものです。狐にピッタリで気に入っています!


    未開紅
これも梅の代名詞なのですが、薄紅色のこなし餡と黄身餡を伸ばして重ねて粒餡を包みました。





梅の蕾の頃はまだまだ寒さも厳しく霜も降ります。そんな意匠です。氷餅が寒さを一層引き立ててくれます


   風花
カルカン製ですが、これはお見せ出来ません。

     牽牛
平成20年正月のお菓子です。
器は鈴木徹氏の中皿です。







毎年勅題に合わせてお菓子を作るそうですが、今年の勅題はイメージが湧かなかったそうです。
なので干支の牛に因んで牽牛としました。天の川の意匠です。



違う器にも盛ってみました。山中青課堂の錫器・切手盆に盛ってみました。器が違うと印象も違いますね。




    鈴の緒
   カルカン製
芯の餡は白小豆を漉し餡にして卵の黄身を加えて黄身餡にし、白小豆の粒を潰さないように後から足しました。


2月は節分、初午など神社に出掛ける事が多くなります。願い事の鈴から垂れ下がっている緒の意匠です。菓子鉢は鈴木徹氏の器を使わせて頂いたのです。この御菓子に良く御似合いです。

茶花・山野草 炉開き 早春 行く春 半夏生 竜田姫  茶の湯・和菓子・上生菓子

いけ花
水野さんが作った
桃山さんの御菓子
 一月・二月
三月・四月
五月・六月
七月・八月
九月・十月
十一月・十二月
茶花歳時記
はじめまして
思いのまま
五月・蘭湯・蘭茶
  六月・大祓
七月・半化粧
八月・八朔
九月・重陽
十月・十三夜
十一月・祗園の花
十二月・木守り
一月・屠蘇
二月・初午
三月・上巳の祓
四月・花筏