夏みかんについての講釈ではありませんョ。
八月朔日(おついたち)は、いつも当たり前のように淡々と、行われる行事があります。
祇園で働き始めた初めての八月朔日、黒染めの着物で芸妓さん舞妓さんの方々が正装して一軒一軒、「たのみ」をして回っておられました。
職場のおばあさんに聞いたところ、「あんた、ナニゆうてんねん、はっさくやがな」「はっさくゆうたら、あないしてまわらはるん」(解り易く平仮名で統一)たったそれだけの説明で終わりました。
田舎モノには珍しい行事で吃驚していましたが、都会では当たり前の、特別でもないとても大切な、大事な心を通わせる当たり前の行事が天正年間から続いていることがとても素晴らしい事で、まだこのように続けていてくださっていることに感謝の気持ちでいっぱいなのです。
八月一日は八朔、もしくは怙恃の節「たのみ」の節ともいわれます。怙の意味は(たの・む)恃の意味も(たのむ)なのです。怙恃でグーグル検索すると3万件以上検索できますが、その殆どは中国で使われています。日本語のみの検索をすると僅か29件、重複している文献もあるようです。
たのみは、田の実で稲穂のことを指しています。この頃(旧暦)は稲穂が相当実る頃なので、これを祝う意味もあるそうですが、たのみを「頼み」に置き換えて君臣朋友お互いに頼みあうことから日頃厄介にになっている方々へは、その恩を八月朔日に報いるのだそうです。
起源は鎌倉時代から行われているそうですが、徳川家康が江戸城入城した記念日でもあるそうなので、正月につぐ祝日になったそうです。
宮中と民間ではこの日は違う過ごし方をしますよ。民間で今もこの節を守って行っている祗園はやはり日本で最高の文化と知識の集積地だと思います。
なにか、余談ばかりになっちゃいました。お花の画像ですが、薄紅色の花は下野なのです。春に咲く花なのですが、刈り込んでやりますと毎年今頃咲きます。その横に糸ススキ、萩が並んでいます。間も無く立秋です。暑い日が続く中、涼風を感じ始めました。
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