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     半化粧
毎年水野さんでは桃山さんに納める七月の御菓子は半化粧で始まるそうです。毎年七月二日頃が半夏生です。水野さんが、若い頃に考案した     

意匠のお菓子だそうです。柴田書店の「専門料理」’94発売7月号「日本料理の四季」’99発売春夏編に載っているそうです。大変古いのでもうどこにも無い?                

    蛍火
「草の葉を落つるより飛ぶ蛍かな」芭蕉のくになります。   丹波産小豆の漉し餡を寒天生地で包んだ御菓子です。 草の葉で光っている蛍そのままをお菓子 

に仕上げた意匠です。「狩衣の袖の裏這ふ蛍かな」蕪村 この句を読むと昔は溢れかえるほど身近にいた事が伺えます?私はそんな気がします。                       
    水中花
夏の玩具をお菓子で表現したそうです。夏祭りの屋台で売られていたりしていましたね。ひなびた玩具で夏の風物詩でもあるようです。粒餡を芯に山の芋の金団を寒天の生地で包んだ物です。

紅い生地は梅酢を寒天で、青い生地は蓬を薄荷で風味付けした寒天生地です。葛で包むより寒天で包んだ方が透明度が高いようで水中の雰囲気がよく出ているようですね。水野さんは夏場は葛よりも寒天をよく使います。

     花氷
葛製です。和三盆で甘味をきめています。お見せ出来ません。
   美味良縁
今は陶芸家をなさっていらっしゃいます。
細川護熙先生から揮毫を頂きました。水野さんは京都の古美術商の主人柳孝さんの

ご縁で細川先生と間接的なご縁を持つ事が出来ました。何年も前の御話です。細川先生がご来店の際その御話をしたところ覚えておいでだったそうです。その後細川氏よりこの扇面の揮毫が水野さんに届けられたそうです。立派な額縁に入っています。

    岩清水
粒餡を芯にして、山の芋の餡で金団にしました。白と水色です。涼しさと水の清らかさを出すために銀箔を少し使っていますが判りますか?

その金団を寒天で包んであります。






    線香花火
紅く染めた金時豆の漉し餡を、金箔が沢山散りばめられた黒砂糖の寒天地で包んだお菓子です。



黒砂糖が効きすぎて紅い餡、金箔が画像では判りにくいようですね。桃山さんで頂くと良く判りますよ。黒文字で二つに分けたときは感動です!

     涼風
盛夏も過ぎ、時折山手から吹く風が心地よく感じる風があります。そんなイメージで作られたそうです。見た目にも涼しさが伝わってくる色の取り合わせとシンプルな形です。

盛られた器は山中青課堂製の錫製大皿です。大変御似合いですね。このお菓子は水野さん考案のお菓子です。作りすぎず、作為も強くなくとっても良い御菓子です。見た事がありません。

  夏衣・薄衣・羅
銘はどれでも良いそうです。7月の御菓子だそうです。町を歩く若い子達の衣裳が薄く白い肌が眩しくて、思い立ったお菓子だそうです。婦人者の単衣もイメージしています。

紅い葛は梅酢でさっぱりと酸味が利いて中の餡は粒餡を芯に山の芋の餡で包んでありました。器は多治見市喜多町にある寿泉窯さんの白結晶紋銘々皿でした。
   龍淵に潜む
『説文』によるところ、秋分のころ龍は淵に潜み、春分のころ淵より昇るそうです。
そんなイメージで作ったお菓子ですが、画像を取り損ねました。かなり古い本「月刊専門料理」H5・8・1発行
8月号に載ってるそうです。

七月・八月の桃山さんのお菓子

茶花・山野草 炉開き 早春 行く春 半夏生 竜田姫  IKEBANA