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思いのまま

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弥生

 4月になって待ちに待った桃の花が咲きました。花たちは陰暦に正直のようですね、八重咲きの枝垂れ桃です。
 桜も間も無く満開になろうとしています。個人的な好みとして、桜は散る桜、花筏が好みです。清流に流れる花びら、風に吹かれて散る桜を眺めると哀れに思う事もありますが、これより草萌え、百花咲き、鳥鳴く弥生野が待っていることを思うと、嬉しくて心が弾むようです。
 弥生の語源については「奥儀抄」には「風雨改まりて、草木いよいよ生ふるゆゑに、いやおひ月といふを誤れリ」とあるように、「いやおひ」の約転で、草木いよいよ生い茂る儀とされますが、「日本書紀」の記された頃の人々たちの「草木いよいよ生い茂る」季節を待つ気持ちは今の私たちの季節を待つ気持ちも、いつまでも変わらないと思います。

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片栗が咲きました。

 たくさんの花芽を出してくれていましたが、風の強い日が続いて茎が折れてしまったものもあり、少し残念でしたが漸く咲き始めました!
 ユリ科の多年草です。多分ユリ科では一番最初に咲いてくれるのでしょうか、別名「はつゆり」ともいわれます。堅香子の花も片栗といわれています。
 先日、知人からお借りした植物の本の中から、新聞の記事の切抜きが入っていたのですが、私が長年疑問に思っていた事がこの新聞紙の切抜きのお陰で謎が解けました。
 全くの偶然なのですが、今は神様に感謝をしていますがご存知の方もいらっしゃると思います。
 どなたの執筆の記事かは判りません、切り抜きゆえに勘弁して下さいませ。以下に抜粋させて頂きます。
 「カタクリの種子には、アリの好む脂肪酸などを豊富に含む特殊な附属体(エライオソーム)があるからです。アリはその部分だけを齧ると種子本体を土やゴミと一緒に巣外に捨て、種子は翌春そこで発芽します。アリの習性を利用した散布方法です。」
 カタクリノ種子をアリが運ぶと言うことは知ってはいたのですが、何故運ばないといけないのか、長年の謎でした。
 近くに寒アオイを育てています。ギフチョウが飛んできてくれることを祈っているのですが・・・・。

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ヒメカンアオイ

 ギフチョウの幼虫が餌にしている植物です。土の中に埋もれているのが花なのです。あまり目立たないので、これが花なのか、実なのかよく区別は付きませんが花なのです。
 花が土の中に埋もれているのですが、このような花でもせっせと花粉を運んでくださる奇特な生き物がいてくれるので繁殖できるのですね。
 この花の花粉はナメクジによって運ばれるのだそうです。カンアオイにはなんとなくピッタリの運び屋さん、少しナメクジの事を見直しました。

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クマガイソウ

 先日、たまたま寄った苗木屋さんに、入荷したばかりのクマガイソウがあったので2鉢買っちゃいました。
 今までに何度も買ったのは良いのですが、いつも枯れてしまって新しく買うのが億劫になっていましたが、なんとなく殖やせそうな気がしたものですから。
 どうですか?風に揺れているさまは。

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草萌え、百花咲き、鳥鳴く弥生野

 弥生野の花たちです。心が弾む季節に余計な言葉は要らないと思います。
 ピカピカの花たちの画像を楽しんでくださいね。
 一人静が輝くように咲いています。

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クリスマスローズです。
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白根葵
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さるとりいばらの花

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グミの花
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利休梅
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碇草
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躑躅
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姫シャガ
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稚児百合
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牡丹

 百花の王とされ珍重されている花なのです。

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金蘭
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風車

 拙い歳時記もお陰様で一年が過ぎ、もう記す事もなくなりました。
これにて仕舞にさせて頂きます。

 風車は絶滅しかかっているそうです。水の豊富な湿ったところを好んで繁殖します。そんなところを見つけては殖やした株を植えています。

 私共日本人は、他の民族にない季節、暦、自然への情緒と表わすのか、感性と表わすのか私には良い言葉が見当たりませが、世界に誇れる無形の心遣いを持っていると思います。
 里山を歩けばそこには、世界に誇れる草花たちがたくさん自生しています。自生できるだけの環境が維持されてきたからこそ、生きながらえたものと思います。先人の苦労に感謝しなくてはなりません。
 手入れをされた森林、整備された水田は今日ある私たちは勿論、子々孫々にまで残してやる事が私どもの使命だと思っております。
 
 ガーデニングが流行っております。イングリッシュガーデンを否定するわけではありません、好みの問題ですから。お花が好きな方々に変わりはありません。だから日本の貴重な草花たちも、良く解ってあげて下さる事を祈っています。
 どんな環境で育ってきたのか、これからもどんな環境が必要なのか、もう少しだけ解ってもらえたらありがたいのです。
 先日、4月30日の日本経済新聞の記事です。抜粋させて頂きますが、人口増加と温暖化がもたらす水不足の記事なのですが、

 『東大の沖助教授の試算によると、1`の小麦を作るのに約二千gの水が必要。白米1`では三千六百g。牛肉にいたっては1`に二万gの水を消費している。牛を育てる飼料の栽培に水を消費し、牛も成長過程で大量の水を飲むからだ。牛丼一杯に換算すると2dの水が使われている。
 食料の60%を輸入に頼る日本は年間6百40億dのこうした”仮想水”を輸入している計算になる。国内で利用される農業用水は五百七十億dで「国内と同程度の水を海外に依存している事になる」と沖教助授は警告する。・・・・・・近い将来、世界各地で頻発する渇水や洪水は日本人の食料を脅かす事になる。
 「ダムに水をため、水道を通じて供給するという欧米流だけが水管理ではない。それぞれの地域に適した方法を見つけていかなければ、解決できないだろう」と日本水フォーラムの尾田栄章事務局長は強調する。』


 私は「豊葦原瑞穂之国」この言葉が大好きで誇りを持っています。
 これほど心静で、ゆったりしていて、豊で美しい表現は他にはないと思います。先人が築いて守ってきた文化、習慣、恵みそのまま全ての子孫に残してやりたと思っているのは私だけではないと思います。
 しかし今、それが何らかの影響で危機に立たされている、と言うには大袈裟かもしれませんが、一人一人が常に意識をしないといけない状況ではないでしょうか。
 では無手勝流歳時記は、これで終わりとさせて頂きます。

 今度からは私が育てた花の「IKEBANA」で投げ入れ中心ですが、薀蓄?を述べさせて頂きます。

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